LOUIS MOINET

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19世紀に活躍した伝説の時計師の名を冠し、2004年に創業した新進気鋭の独立系ブランド「ルイ・モネ(LOUIS MOINET)」。ネット上の記事では、「豪華で立体的なデザイン」や「ギネス認定された世界初のクロノグラフの発明者」といった、歴史的偉業やアヴァンギャルドな外観についての評価が目立ちます。

しかし、時計の構造やマテリアルの深層を紐解くと、その真の姿は「宇宙の隕石や太古の化石といった『時間を内包した物質』を強引に切り出し、文字盤に押し込む異常なマテリアル信仰」と、「時刻表示を無視してまで、無意味でダイナミックな反復運動にエネルギーを浪費するギミックの狂気」であることが浮かび上がってきます。今回は、芸術的なデザインの裏に隠された、ルイ・モネの知られざる「マテリアルとメカニズムの錬金術」についてご紹介します。

■ 時計の歴史を書き換えた「1816年」のギネス認定

ルイ・モネを語る上で欠かせないのが、スイス時計界の歴史そのものをひっくり返した事件です。長年、クロノグラフ(ストップウォッチ機能)の発明者は1821年のニコラ・リューセックだとされてきました。しかし、ルイ・モネが天体観測のために1816年に製作していた懐中時計が発見され、これが2017年にあろうことか「世界初のクロノグラフ」としてギネス認定されてしまったのです。

彼らはこの偉業を称え、「1816」という完全新作モデルを発表しました。これは単なる復刻ではなく、「我々こそがクロノグラフの真の始祖である」という、時計界の歴史を書き換えたブランドとしての絶対的な誇りとプライドの表明なのです。

■ 火星、月、水星。太陽系を文字盤に構築する狂気の「アストラリス」

ルイ・モネの狂気は、文字盤の素材選びにおいて常軌を逸しています。宇宙へのロマンを表現した超絶複雑時計「アストラリス」では、文字盤の6時位置に24時間で1周する回転ディスクを配置しています。

驚くべきことに、そこには「月の隕石」「火星の隕石」「水星のものだと推測される隕石」「太陽に一番近い小惑星の石」という、4つの異なる地球外物質(メテオライト)が埋め込まれています。さらに日本限定モデルでは、1850年に日本に飛来した「気仙隕石」の欠片を文字盤にセッティングするなど、彼らは希少な天然鉱石を使う次元を通り越し、「文字盤の中に本物の宇宙空間を物理的に構築する」という途方もないアプローチを行っています。

■ 「恐竜の骨」や「化石化したヤシの木」で太古の時間を切り出す

彼らのマテリアルへの執着は、宇宙だけでなく地球の太古の時間すらも封じ込めます。「ジュラシック トゥールビヨン」というモデルでは、なんとジュラ紀に生息していた本物の「恐竜の化石」を文字盤のキャンバスに採用しています。レッドとブラックの不規則なラインが走る化石の表面をそのまま文字盤にし、さらにウロコで覆われた恐竜の体表を想起させるガルーシャ(エイ革)ストラップを合わせるという徹底ぶりです。

また「ジオグラフ レインフォレスト」では、インダイヤルの素材に「ヤシの木が化石化した特殊素材」を採用しています。数千万年、数億年という悠久の時間を経て生成された物質を、数センチの時計の空間に強引に定着させるという、マッド・サイエンスのような時計作りです。

■ 10秒で弾け飛ぶ針と、動き続ける「石油掘削機」

視覚的なメカニズムにおいても、彼らは時計の常識から逸脱しています。「テンポグラフ」というモデルでは、文字盤の右側に時刻表示を追いやり、主役として「10秒ごとにフライバックを繰り返すレトログラード秒針」を配置しています。1分間ではなく、わずか10秒周期で針が小刻みに弾け飛ぶように逆行するという、焦燥感を煽るような高速運針の反復に膨大なエネルギーを割いています。

極めつけは「デリック トゥールビヨン」です。この時計の文字盤には、あろうことか「石油掘削機のポンプ」のミニチュアが設置されており、ムーブメントの動力を受けて「15秒周期で延々と上下動を繰り返す」のです。時刻を知るという時計の目的とは一切関係のない、完全なるエンターテインメント・ギミックのために複雑機構の動力を浪費しています。

ルイ・モネは、単なる「隕石を使った珍しい新興ブランド」ではありません。その本質は、世界初のクロノグラフを生み出した天才の系譜を継ぎながら、恐竜の化石や火星の石といった「時間を内包した物質」を強引に削り出し、10秒で弾け飛ぶ針や石油ポンプを文字盤の上で暴れさせる、「スイス時計界における、ロマンとマテリアルの極限の錬金術師」なのです。

その他

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コレクションについてLOUIS MOINET のラインナップは特定の単一シリーズ枠に収まらない作家性の高いタイムピースで構成される。当ページではメゾンが手がけた象徴的なモデルをまとめて紹介する。少量生産ゆえに同じ仕様が再生産されることは少な...